増谷淳子が日常の体験から感じること
7.車体修理工場 フロントマンの接客とおもてなし
■お客様から一番に選ばれる車体修理工場目指す
先日、車体修理工場のフロントマン研修の依頼を受けました。きっかけは、以前車体修理業界情報誌で「接客マナー」の連載講座を担当し、その実績を弊社HPでご覧になったことでした。
先月のテーマで取り上げた「建設現場の職人さんのマナー」と同様に、修理工場のフロントマンも今は修理をするだけではなく、より高い接客マナーやコミュニケーション能力が求められます。もちろん素晴らしい接客をなさる方もいらっしゃいますが、業界のマナーレベルについては個人差があるようです。したがって今回の研修では、工場全体のマナー向上によりお客様の好感度・安心感を高め、一番に選ばれる工場を目指すことにしました。
■車体修理工場の印象はフロントマンで決まる
工場の印象は、お客様と最初に接するフロントマンで決まるといっても過言ではありません。初めて行く先では様子もわからず、不安でいっぱいです。
さらに、車を傷つけられた苛立ちや不快感、買ったばかりの車なのに残念…など、お客様の複雑な気持ちは察することができます。
そんなお客様のもとにフロントマンがさっと笑顔で駆け寄り、「こんにちは」「いらっしゃいませ。いかがなさいましたか」と声をかけてくれたらどうでしょうか。
お客様の不安は一気に取り除かれることでしょう。そしてこの後、修理の内容についてフロントマンから丁寧で親切、誠実な説明があると、「この工場に来てよかった。安心して任せられる」と、お客様の信頼を生み出すことができます。
■お客様には感謝とおもてなしの心で接する
修理工場に限らずどのような業種であっても、数ある会社の中から自社を選びご縁のきっかけをつくってくださったお客様には、感謝とおもてなしの心で接したいものです。
おもてなしは、ホテルやデパート等に限らず、お客様接点のある業界では全てにおいて求められます。
おもてなしは、誰にでも一律にするサービスとは異なります。その場の状況に応じて、臨機応変に自分にできる最善を尽くすことがおもてなしで、相手を思いやる、見返りのない好意の行動です。
「おもてなしの心」、日常生活の中でも優しい気持ちを持って過ごすことで、大切にしていきたいと思います。
サービス:マニュアル化できる(誰にでも一律)
- マニュアル通り、仕事を仕事として行う
- 想定内のこと(期待通り)
- 対価に見合ったサービス (等価交換)
おもてなし:マニュアル化できない(一律ではない)
- マニュアル+個別対応 主体的にその場でできる最善を尽くす
- お役立ち精神 目配り、気配り、配慮